昨年の今頃に、ある学生に書いていたこと

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勉強を積み重ねていくと、あるとき、これまでと違った地平が現れることがあります。
だからコツコツ勉強を重ねることは大切なことです。

「すぐに役立たない学問は要らない」といった風潮がありますが、それは嘘です。待てない企業経営者がだらしがないんです。

そして、いま、とても気になっていることがあります。

若い人が階層化して、上の階層以外は、まともな勉強をしていないことです。

覚えるだけで考えないし、覚えたことを使えないのです。
だからどんどん自信をなくして、稼げなくなっています。
その層がどんどん広がっているのではないかと心配しています。

大学のグローバル化とか入試改革とか言っても、それとはまったく関係がない学生がほとんどです。
グローバル化という前に日本語で書いたちょっとだけ小難しい本が読めません。
入試改革の以前に、選抜そのものが成り立っていなければ改革もできません。
4技能って、誰が学校で教えられますか?
その前に従来の読む、聞くは、大丈夫ですか?

それらの学生たちが、つまり、自信を持てなくなり、稼げなくなっています。

そうした人たちを引き上げていくことも、これからのリーダーの役割になっていきます。

頑張ってください。

そんななかで、僕の仲間の教員のなかには、勉強が苦手な学生にもそうでない学生にも、覚えたことを使えるようにしたり、覚えるだけでなく考えさせたり、ちょっとだけ小難しい本を一緒に読んだり、これまでのような大学教育をちゃんとやっている人たちがいます。

 

ということで、大学教育ってなに? ということがあらためて問われる時代になりました。
留学する学生の数を単に増やすことでも、自分の研究を手伝わせることでも、授業に出ているだけの学生に単位を与えることでも、ビジネスの真似事を劣化させてやらせることでも、無責任に意識だけを高めることでも、ないんですよね。

 

相変わらず、高校生には資格志向が強いようですが、資格を持っているだけでは食べていけませんよね。
そのことを含めて、大学でなにを教えるか。
資格を取らせればいいってもんじゃないし、資格を取れる大学に進学させることが高校の進路指導ではないです。

 

実は大学だけのことではなく、高校までの教育にも言えることです。
学び方を知らずに大学に進学しています。
意外と進学校にもいるようです。