もう高校1年生は2学期に突入

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東京大学は、国立大学協会が示したガイドラインを見直して独自の見解を示そうとしている(2018年8月末段階)。東大においては、そもそも2次試験(個別試験)の配点比率が高く、民間4技能テストを活用したところで、全体の配点比率が低い共通テストのごく一部である英語のさらに一部に過ぎず、合否を左右するようなものにはならない。早稲田大学国際教養学部が英語の100点中15点を民間4技能テストに割り当てたが、実際には民間4技能テストのスコアを提出する受験生は少なく、多くの受験生が85点満点で試験に挑んだ。民間4技能テストへの対応よりも他の勉強に時間を割いたほうが効果的だと判断したのだろう。つまり、東大が民間4技能テストを課したところで配点はごくわずかであるから受験生はスコアを提出しない可能性はある。そんなことをこの時期になって議論していては高校生には迷惑千万。東大の判断を待つ他大学への影響が大きく、実施概要の公表を遅らせることになる。2021年度入試の対象となる高校1年生の授業は2学期に入っているのだ。速やかな対応を強く望む。

三位一体の教育改革はうまくいくのか

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大学入試と高校教育、大学教育を一体的に変えようとする今回の大改革であるが、果たしてうまくいくのだろうか。高校教育は人工知能の進化などにより教育の質的な転換を迫られて変わらざるを得ないところに来ている。これまでのように大学入試が変わらないのだから教育を変えなくて良いなどとは言っていられない。生徒の未来に関わる問題だ。大学教育も実社会からの要請、就職活動などから変わらざるを得ないだろう。教育のサイズは確実に小さくなっている。これまでのような大教室で一方的に講義をしていては学生の学力は向上しないだろうし、そうした環境で学ぶことを学生は拒み始めるだろう。いまや早稲田大学の教室は定員50名以下のものが8割を占める。いまだに校舎を改築・増築することもなく、大教室での講義を展開する大学には生徒を送り込まないほうがいいだろう。

そして、大学入試であるが、ここが鬼門だ。非認知スキルが高い学生が入学後に成績を伸ばすことは解りかけている。ここをいかに評価するかだ。活動歴の記載や再現性が乏しい面接試験で果たして判定できるのだろうか。課題は山積である。

問題解決力の変容

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「問題解決力」

この言葉が大学の広報等で使われ始めたのは、1990年に慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)を開設した頃だ。
SFCには、当初、総合政策学部環境情報学部の2つの学部が設置された。
それぞれ加藤寛先生と相磯秀夫先生が学部長に就いた。
この開設のときに、SFCでは、自然言語(英語)と人工言語プログラミング言語)と合わせて「問題解決力」を学生に修得させるとして注目された。

さて、当時、問題解決は、問題発見・解決に変容を始めた。問題を解決する前にどこに問題があるかを仮説を立てて見いだすことが重要だと考えられたからだ。

かつて上司だった相磯秀夫さんと話をしていてふと思ったことは、問題解決とはプログラムのバグ取りではないかということ。問題を切り分る。そのために何が問題か仮説を立てて考えていく。そして、問題が見つかればそこを直して解決する。当時の問題解決はこれだったのではないか。

 

しかし、いまは違う。

「正解のない問い」を問われるからだ。

 

「アカデミアが…」なんて言っていると

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「アカデミアが…」
と言っているうちは本当の危機に目がいっていないわけで、10年後の大学の悲惨さを思い描けていない。特に、社会科学系。

大学の悲惨さは定員割れで潰れるということだけではない。

特に、私学は社会科学系の定員が大きいから、ソフトランディングを、いまから考えておかなければならない。
そして、研究者をいかに育てていくのか。研究者の所属は大学ではないのかもしれない。その時に研究者養成の大学院をいかに成立させるのか。

富山も暑かった

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今日、富山県の高校で生徒向けに講演。

富山も暑かったです。

 

生徒向けは久しぶり。

ちょっと難しい話になっちゃいました。

具体的な話でなくては生徒はそっぽを向いたり眠たくなったりします。

生徒を見ながら話をいつも調整しているのですが、今回はちょっとハイブローだったなぁ。

 

そして、講演を終えて、高校ハンドボール日本一の指導者と対話。

「部活動の週休2日、そんなの当然」
アメリカのNCAA でも言われていますね」
「うちは、個人練習中心」
「「個人の成長」の場ですからね」
「そのとおり」
「部活こそPBLの場」
「まさに」

すっかり意気投合!

簡単なメモ

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政府は「未来投資戦略」で2020年Wifi敷設率100%を目標値にしました。
学習環境は劇的に変わります。
また、学習指導要領をベースにカリキュラムマネジメントをしていかないと教えることが時代に合わなくなります。
文科省課長クラスが出したよくわからない提言ですら、変わることを恐れていないようですからね。

 

2021年度入学者選抜はまだ序章。
次期学習指導要領で高校3年間を学んだ生徒を対象とする、いわゆる完全実施である2025年度入学者選抜では劇的に変わります。
調査書等に関して言えば、留学したとか高校総体で活躍したとかという履歴ではなく、そこで何を学びとり、いまに活かしているかが問われるわけで、経験学習サイクル(計画、実行、観察、振り返り、新しい計画…)が重要になってきます。

 

さらにいえば、教科学習に象徴される認知能力だけでは「優秀」な学生を確保できないことがわかってきました。非認知をいかに測るかですね。そこも徐々に分かりかけているのではないでしょうか。
そのためにいま大学はIRをはじめて卒業後の様子までを追跡調査しはじめました。
あと6年もすればさまざまなデータが揃うことでしょう。

 

その一方で、人工知能の進化等により職業の寿命が短くなります。
そのときに、新しい知識や技術の修得が必要となりますが、そのときに修得の仕方を知っているかどうかで大きく立場が変わることでしょう。だからこそ、「学び方を学ぶ」(メタ学び)が求められるわけです。

頑張ってくれよ、文科省

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この報告書を読んだ僕が怒り狂っていることを、各方面の方々が心配されたが、そのみなさんの多くが実際に読まれて開いた口が塞がらなくなっている。

いま一度、月曜日の「未来の教室」とEdTech 研究会の「第一次提言(案)」を読んでみた。研究会中に、オブザーバーで参加していた文科省の某室長が慌てて「僕らも林プランを作って検討しています」と発言していたが、いまその林プランに相当するものを目にしてみると、あれは恐れをなしたからに違いないと思った。
文科省の言葉を並べただけで具体性もなく、課題意識も乏しい報告書に比べて、現実を見極めて、いま、理想を求めていかに踏み出すかを、経産省の提言は語っており、地に足がついている。
エビデンス」に関するやりとりもあったが、教育におけるエビデンスの難しさを経産省のほうが理解しており、文科省、大丈夫かと思ったがやはり大丈夫ではない。「ビッグデータ」やアダプティブな学習に対しても安易なとらえ方を文科省はしている。
さらに言えば、ソサエティ5.0なるものがやって来たときの教員の役割についてのとらえ方もあやふやである。
学校の授業が教えられる側、教える側、それを媒介する教材でなされるのであれば、EdTech がどのようにそれぞに作用するのかについて語るべきなのに、まったく深く考えていないようだ。
リカレント教育については、まぁ書くのをやめたらと言いたくなるレベルで現状認識すら怪しい。

学校の情報インフラが整わない限り、EdTech もCBT も導入されない。
その整備の一端を担う、文科省はこれまで何をしてきたのか。
そんなことを棚上げしてよくこんなことを書けるものだ。

いま展開している大学入試改革において、CBT を端から除外していたのに、何を、いまさら言うか。
民間英語4技能の混乱は運営面の不安が根底にあり、問題解決はCBT にあるはずだ。情報インフラが整っていればもう少しスムーズだったろうに。
そんなことを忘れて、調子に乗るな。

これが日本の教育を司る役所の中枢のみなさんが作った報告書だというのであるから、呆れてしまう。

この半年近くの、経産省の教育産業室のみなさんやそれを支える人たち、研究会の委員、専門委員として関わった方々との議論は、現実を見極めて未来を語るものだった。それぞれが見出した課題をいかに解決できるだろうかという場でもあった。

今月の中頃には、経産省の第一次提言が公開されるだろう。
ここには、ゲストスピーカーとして発言をした、僕の意見も少なからず反映されている。
だからというわけではなく、今回の文科省の報告書と読み比べてもらいたい。
ちょっと見ている次元が違うことを確認できるだろう。

これはかなり危ない話である。
このまま文科省に教育行政を任せておいて良いものだろうか、文科省が存在する価値があるだろうかとすら、考えてしまう。
ちょっと悲しい。
明らかに勉強不足だよ、文科省

頑張ってくれよ、文科省

 


Society 5.0 に向けた人材育成 ~ 社会が変わる、学びが変わる ~
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/06/1405844_002.pdf